航行ルート


赤い線=既に航行したルート
白い線=これからの予定航路


より大きな地図で 航行ルート を表示

赤い線=既に航行したルート
白い線=これからの予定航路


 

遠征の概要

 

■はじめに■

過去15年間『海』をテーマに旅をしてきました。
世界各地に広がる海の民。
彼らと交流し、文化、営みを自身で体験できたら・・・
自由に海を移動でき、海岸や砂浜、どこでも上陸できる、道具と体力があったら・・・
その地に人が住んでいなくとも、自ら生きていく為の、知恵と身体をもっていたら・・・
どんな世界が経験できるだろうか。
グレートシーマンプロジェクトは、そうした考えのもとにスタートしました。

※このプロジェクトの『グレートシーマン』とは、世界中の海と共に、知恵と共に暮らす人々のことです。
老若男女、だれもがグレートシーマンです。

エンジンなど機器を使用しないシーカヤックに、素潜りというスタイルで航行します。
海の姿、いかに人と海はつながっているのか?
漕ぎ、潜り、漁を行い、食べること。

海と人の関わり、「偉大なる海人」に出会い、交流し、自らも海と共に生きること。
現在、シーカヤックを使って、この海域を横断した記録はありません。
しかし、これは冒険行でなく、先史以来の人々が行ってきた航海です。
あらゆる自然環境に対応しながら生活、移動する海人視点の旅と言い換えることが出来ます。

様々な海に身を置き、頭ではなく体で何かを受け止め、伝えること。
海の『風貌』と対峙し、海と人間との関わりを取り戻す試みです。
皆様のご支援、ご協力をどうぞ、よろしくお願い申し上げます。


 

■概要■

遠征遂行者:八幡暁
活動地域:オーストラリア~日本にかける全海域
活動期間:2002年6月~現在に至る

目的1:海岸と人々の記録 海辺、景観、漂流物、土地の生活など
目的2:海生活の記録 潜った海の記録、自給活動、他活動全般
目的3:シーカヤックでの航行記録 気象、航行記録など 「海」「自然」「人」にスポットをあて、
その理解を深め、その体験を多くの人に伝えることで、人と自然の営み、関わりについて改めて考える。

航行方法:動力は使用しないシーカヤック (漕行不可能と判断した際は、渡航船を使用)

使用艇:ウォーターフィールドカヤックス社(日本製)
【グレートジャーニー艇(改造2人乗)】
 ・全長:750cm 幅:76cm(2分割式)
 ・重量:FRP 45kg
【マリオン艇(1人乗)】
 ・全長:545cm 幅:59cm
 ・重量:FRP 24kg

【フェザークラフトK-1(1人乗と2人乗)】
・全長:500cm 幅:63.5cm
・重量:FRP 24kg
・組み立て式


 

■シーカヤックとは■

もともと『カヤック』の語源は、イヌイット語で『Quaja』。
海獣の皮を使った漁猟船をさします。
イヌイット(エスキモー)達、極北の人々によって使われていた生活のための道具。
それは、狩猟のための道具であり、人や荷物などを運ぶためのものとして
使用されていたといいます。
その道具が、旅の道具やレジャー用に変り現代に蘇りました。
一般的に、カヤックを海使用に作ったものを「シーカヤック」と言っています。

大きな特徴として、長距離航行を可能にする船体の長さと細い船幅が挙げられます。
強風に耐えられるよう、海面より上に出ている部分はわずか。
1人で持ち運びができる軽さと、どこにでも上陸できる利便性。
作りがシンプルな為、故障が少なく修理が容易なこと。
漕ぎ手の下半身がカヤック本体に隠れる構造で、船体に水が入りません(船体は空気室がある浮沈構造)。

よって、仮に海が荒れても安全性は高くなっています。
基本的に、櫂(パドル)を使って操船しますが、船尾に舵がついており、
両足を使って操縦も可能です。

シーカヤックにも、いろいろな種類があります。
旅をするために多くの荷物を積めるもの、スピードを重視した細いもの、波間で遊ぶための短いもの。
どんなスタイルで遊ぶかによって、カヤックの形が変わっていきます。

カヤックは多くの人を魅了する、海を様々な形で楽しめる道具です。

 ・時速2ノット~4ノット(ほぼ歩行速度)
 ・一日、約7時間から9時間の漕行
 ・平均漕行距離50キロ(漕行距離/漕行日数)

ごあいさつ

20代にはじめたこの遠征計画は当初10年計画でした。そこから早20数年。カヤックツアーガイドショップOPENをはじめ、地域活動や講演活動を行いながらのこの活動もあと少しのところです。ただ、ここからここまでを繋いで漕ぎたい、ここがゴール、というものは私の中にははじめからありません。微力ながらみなさんに還元し、そして活動も続けていくと思います。今後とも、どうぞ宜しくお願いいたします。八幡暁 拝